受入に関わる費用と準備
Costs and preparation
外国人スタッフの受入にかかる費用と受入までに準備すること、受入後に必要なサポートなどを紹介します。
受入れ費用
令和5年度に外国人スタッフを受け入れている事業所に受入の初期費用概算額(1人当たり)を調査したところ、73事業所から回答が得られました。以下のグラフがその内容です。外国人スタッフ受け入れ検討にご利用ください。
外国人スタッフ受入初期費用概算額(1人当たり)

費用内訳(例)
- 入国に係る費用
- 滞在管理費
- 家財道具
- 日本語学習
- 生活支援
- 在留資格認定費
- 航空運賃
- 住居費用等
- 最も多いのは50万円以上100万円未満の事業所です。
- 平均値は60.9万円、最高額は353万円、最低額は0円(費用の発生なし)でした。
- 0円は日本人の配偶者等や永住者等の身分に基づく在留資格者を、ハローワークから採用した事例が大半を占めていました。
※ 令和5年度大分県外国人介護人材受入状況調査結果を参考に作成しました。
※ 監理団体、登録支援機関により費用が異なるので、受入にあたっては、各監理団体、登録支援機関に確認しましょう。
受け入れ準備
申請や届出の準備
- 初めて海外から外国人スタッフを受け入れる場合
- 日本国内にいる外国人を受け入れる場合
在留の許可を得る必要があります。
在留の許可を得る為に、申請書類を出入国在留管理局などの公的機関に提出します。
申請書類作成に時間がかかるため、早く準備にとりかかりましょう。
外国人スタッフの住居について
法人が所有する社宅を貸与する、または、法人が借り上げた賃貸住宅を無償または有料で貸与するところが多いようです。
- 技能実習の場合:原則として法人が住居を確保する必要があります。
- 特定技能の場合:外国人スタッフが賃貸物件を借りることができます。
用意する家財道具について
用意する家財道具の一例をご紹介します。
- 家具
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- テーブル
- 椅子※食事・勉強用
- 衣類の整理用品
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- 衣類の整理用品
- 衣類用ハンガー
- 靴下等(あるいは下着)を入れる小ダンス
- 寝具
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- しき布団・かけ布団
- まくら
- キッチン用品
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- フライパン・なべ
- 包丁・まな板
- おたま・フライ返し
- やかん・ポット
- 炊飯器・しゃもじ
- 冷蔵庫
- コンロ
- 電子レンジ
- ボウル・ざる
- 缶切り・栓抜き
- 食品保存容器
- ふきん
- 三角コーナー
- 洗剤・スポンジ など
- 食事用品
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- お皿(大中小、深さのあるもの)
- おわん
- コップ
- スプーン・フォーク
- おはし など
- おはし など
-
- 洗面器
- 椅子
- 掃除用具
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- ほうき
- 雑巾・バケツ
- 粘着カーペットクリーナー
- 風呂掃除用具
- トイレ掃除用具
- その他
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- Wi-Fi設備
- 分別ができるゴミ箱
- カーテン
- 照明器具
- 洗濯機・物干し
- 冷暖房
- 時計
- 自転車
- 鍵付きロッカー※貴重品保管に必須
日本語の教育体制やキャリアアップ支援体制
福祉現場ではコミュニケーション能力が大切です。また、長く日本で働きたい外国人スタッフに対して、計画的にキャリアアップを支援することは外国人スタッフの定着にも繋がります。
日本人スタッフに対する準備
外国人スタッフを育成するためには、現場の日本人職員の協力が不可欠です。外国人スタッフとともに働く日本人職員へ事前に説明し、外国人への関わり方、外国人スタッフの母国の文化や宗教を学ぶことが大切です。
大分県社会福祉協議会では…
日本人職員向けセミナーを開催しています。外国人スタッフとのコミュニケーションの方法や受入に関する制度、留意点をを学ぶことができます。また、アドバイザー制度を活用すれば、個別相談もできます。
受入後に必要なサポート
生活面について
日本語でコミュニケーションが取れる外国人スタッフの場合は、自分で対応できるかもしれませんが、以下のようなサポートが必要でしょう。
- 役所での手続きの同行(住民登録・マイナンバーカード等)
- 銀行口座の開設
- 携帯電話の契約
- 外国人スタッフが病気になったときは病院同行
- 技能実習の場合:事業所に代わって監理団体がサポートすることができます。
- 特定技能の場合:登録支援機関に委託すれば、登録支援機関がサポートすることもあります。
宗教や文化習慣について
外国人スタッフの宗教や文化習慣を尊重することが大切です。文化や宗教は人によって違うので、面接時に本人に直接聞き、入職後も改めて確認しましょう。
イスラム教徒の場合
- お祈りの場所と時間を確保する
- 業務中にヒジャブを付けることを許可する
- 豚肉やお酒を強要しない
キリスト教徒の場合
- 日曜日に教会に行けるようシフトを組む
日本語・介護知識・介護技術の教育について
母国を離れ、働きながら日本語や技術を学ぶのは大変なことです。介護の専門用語や介護技術は仕事を通じて教育することができます。とはいえ、介護現場は多忙で外国人スタッフに丁寧に教えることが難しいとの声をよく聞きます。その場合は、本人の意向を確認した上で、研修や講座に参加できるようサポートしましょう。学習の資源を最大限に活用し、継続的に日本語や介護技術の教育を進めていきましょう。
地域との交流支援
外国人スタッフに長く働いてもらうためには、職場だけでなく、周囲の地域住民との交流を深める機会を提供することが重要です。地域との関わりを持つことで、日本での生活に馴染みやすくなるでしょう。そのためには、日本の文化や風習を実際に体験してもらうことが効果的です。可能であれば、地域で開催されるお祭りやイベントに積極的に参加できるよう、サポートを行うことを心がけましょう。地域の一員としての意識が高まることで、外国人スタッフの日本での生活が充実し、長期的な雇用にもつながるでしょう。
外国人スタッフを採用するメリット
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人員確保
20代~30代の若い外国人スタッフが多いため、福祉現場の人手不足を解消できます。また、外国人スタッフが事業所全体の平均年齢を下げ、年齢構成のバランスがとれたとも聞いています。
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指導・教育体制の見直し
外国人スタッフに日本語、介護技術を指導することをきっかけに介護指導の内容や弱点、指導方針の見直しまでできた法人が少なくありません。日本人の新人職員指導にも役立つと聞いています。
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日本人職員の意識向上
仕事を覚えるための努力や日本の生活に慣れようとする姿勢が日本人スタッフに伝わり、現場に大きく影響します。また、外国人スタッフの丁寧な言葉遣いや笑顔は日本人スタッフに刺激を与え、日本人スタッフ自身の行動を振り返るきっかけになるようです。
受入方法・相談はこちら
受入方法や流れなどもご案内しています。もっと詳しく知りたい、相談したい場合は、ご相談窓口に問い合わせするかアドバイザー制度のご利用をおすすめします。