あらゆる壁をなくし、人と人の関係性を築くことが大切

介護事業所 ひだまり
大分県佐伯市
外国人スタッフ 3名 フィリピン
取組内容
コミュニケーションの基本となる日本語での会話が難しかった受け入れ当初、言葉の壁や文化の壁、人と人の壁を「日本人同士の間でも当たり前のこと」として捉えることを職員にも心がけてもらい「外国人だから」という考えを払拭することが最初の課題でした。そんな中で、日本人スタッフへの取り組みで徹底したのは「違和感」を取り除くための意識改革。解決法として取り入れたのが、受け入れ開始から2〜3ヶ月間、2週間に1度の1〜2時間の勉強会。日本人スタッフは「伝える」、実習生は「理解する」ことを目標に、外国人のために作られた介護の教材を新たに購入、実習生たちもその思いに応えるかのように徹底的に学習しました。
教育体制
実習生の教育体制は
2020年3月に入職したフィリピン国籍の2名の実習生に対して、それ以前から受け入れていたモンゴル出身のスタッフ(定住者)が教育の一部を担いました。
取組の感想
外国人スタッフを受入れる心構えは
日本人的な考え方かもしれませんが、こうあるべきだと固めてしまう傾向があると思うんです。その特有な壁を取り除いてほしいというのが制度に期待するところ。国と国、外国人と日本人という枠組みではなく、私という人間がいて、実習に来ている人がいる。人と人、人間をベースに考えることができさえすれば、とても素晴らしい関係になれると思っています
外国人スタッフが外国人実習生を教えるメリットは
日本人が言うよりも内容が通じたり、苦労を理解してあげられるということでした。日本に来て約10年というこの外国人スタッフは、日本に対しての理解があり、「日本はこういう国で、こういう考えをする」と、わかりやすい言葉で伝えてあげられることが大きなメリットでした。
アドバイス
初めて外国人スタッフを受入れる事業所へのアドバイス
外国人に対する不安は、知らないからこそ生まれるもの。受け入れの心構えを持つという以前に、その国の文化や感情の動き方などを知ることができれば、きっとうまくいくはずです。 実習生の入職後、大分県社協の外国人スタッフスキルアップ研修に積極的に参加させていて、そこで得る知識や他施設との関係にも期待しています。外国人が働いている事務所や企業はどんどん活用してほしいですね。
外国人スタッフの声
ラケル・タグレ・ベルトランさん (通称ケリーさん)
カビシダン・プリンシズ・アンジェラ・エレバさん (通称シズさん)
フィリピン出身
介護の仕事を選んだ理由は?
ケリーさん:フィリピンでは病院で2ヶ月働いていて、その時に介護の仕事も経験しました。外国で働くのは初めてだけど、チャレンジしたいと思って選びました。
大分に来る前に不安は?
ケリーさん:日本は初めてだからとてもドキドキしていました!
シズさん :勉強しながら働くことに対してのストレスが心配でした。あとはホームシック。家族と離れることに不安も感じました。
仕事で嬉しいことは?
ケリーさん:方言が勉強した日本語と違うから難しいけど、本当のおじいさん、おばあさんのように優しく接してくれるし、とても仲良くしてくれるのが嬉しい!
シズさん:利用者さんと一緒に散歩して、笑ったり話したりする時は嬉しいです。いろいろ教えてくれるし、「いぬる」「よだきい」とか方言も慣れてきました!
お休みの日の過ごし方は?
シズさん:フィリピンの実家の近くにも海があったのに全然行かなかったけど、近くの海に一人で行って眺めたりしています。心がスッキリする感じなんですよ!
将来の夢は?
ケリーさん&シズさん:日本の永住権を取りたい! とても平和な日本にずっと暮らす
※2021年1月末時点の情報です。