制度への理解を深め、受け入れ体制を整える、研修を複数回実施

特別養護老人ホーム  清流苑

大分県大分市

外国人スタッフ 3名 フィリピン

取組内容

特別養護老人ホームやデイサービス、訪問入浴サービス、小規模多機能型居宅介護、配食サービス、認定こども園など多岐にわたって「地域の福祉ニーズ」に応える社会福祉法人『永生会』。その中の一つ、特養の『清流苑』は、取材時に初めてフィリピン国籍の男女3名を受け入れました。

準備・検討

受け入れに向けて施設側の準備は

受け入れが決まってから、職員全員に研修を行いました。まずは制度についての説明から。足りないところに補充する職員ではなく、ここで学んだ技能を母国で生かしていくための制度であり、ただ単に手伝いの人を雇ったということではないということを理解してもらいました。具体的に、職員の不安を聞き出したり、フィリピンの国民性の理解をさらに深めたり、自分たちが外国に行った時にはどんな状態で迎えてほしいかなどを話し合ったりしました。

受け入れに向けての目標は

職員全員で話し合った結果、「笑顔で話しかける」、「相談相手になる」、「仲間意識を持つ」という3つの目標を掲げました。

どんな工夫をしましたか

外国人スタッフに顔と名前を認識してもらうために職員全員分の顔写真入りのプロフィールカードを作成。体調不良をカードで伝えやすい配慮をし、書類関係には漢字にルビをふるなど、様々な準備をしました。また、おむつ交換では必要な道具などを一つひとつ写真入りにし、日本語に英語併記した単語帳を作成しました。

取組の感想

職場に与える影響は

相手の立場に立って、すべきことを決めていくという経験は職員の意識の変化を生み、業務全体の見直しにもつながりました。

アドバイス

これから外国人スタッフを受け入れる事業所へワンポイントアドバイス

実習生たちは大丈夫じゃない時にも「大丈夫です」と言いがちです。大丈夫の裏には困ったことや心配事など必ず何かあるから、一人ひとりと日々面談することが大切ですし、本音を言いやすい環境を作ってあげることも必要です。

外国人スタッフの声

ドーナ・ベル・グランデさん、アンナ・マリー・セロンさん (フィリピン出身)

介護の仕事を選んだ理由は?

ドーナさん: 私は看護師なので、医療の知識を役立てながら介護の仕事を学んでみたいと思ったのがきっかけです。
アンナさん:私も看護師です。お年寄りのお世話を学びたいと思って、大分に来るまでに日本語と介護の勉強をしてきました。

看護師の経験は役に立ってる?

ドーナさん: 医療の知識は役立っていると思います。小児科で働いていたから、お年寄りの介護は体重が重くて体力的には大変だけど、今はもう慣れました!
アンナさん:介護の方法や作業の動きなどは看護師と通じるものがあると思います。

仕事で嬉しかったことは?

アンナさん&ドーナさん: 職員さんが優しくて、とても親切なこと。わからないことがあっても、皆さんが丁寧に教えてくれます!

趣味を教えてください。

ドーナさん:お料理を作ることです。フィリピンの家庭料理が得意で、よく作ります。

将来の夢は?

ドーナさん:看護師として働いて10年間の経験と、ここでの経験を生かして、帰国しても仕事を続けたいと思っています。
アンナさん:帰国後は、介護の知識や技術、経験を役立てながら看護の仕事を頑張りたいです。

 

※2021年1月末時点の情報です。